みすや針。

みすや針は、京名物として「水、水菜、おんな、染め物、みすや針、お寺、たけのこ、うなぎ、まつたけ」と歌われた、400年続く針の名店です。お店は三条大橋近くにありますが、ちょうど三条大橋は東海道五十三次の始点にあたります。御簾の中で仕事をしていたことから、「みすや」の屋号になったそうです。

先がかため、針穴周辺はやわらかめ、銅部分は弾力があるよう熱処理がされて、一番いい針の条件である「曲げた時に、一瞬曲がって折れる」を満たすそうです。針は和針(もめん針・つむぎ針・きぬ針)・メリケン針・特殊針(西洋から入ってきたメリケン針、手づくり日本刺繍針、キルト・パッチワーク針、さしこ針、ビーズ針、刺青用針など)に分類されるそうです。保存には桐箱が最も適し、使ったら柔らかい布や紙でさっと拭いてからしまうと、錆びることなく長く使えるそうです。

かわいいので、さらに細かい情報も添えてみますね。もめん針には、溝大づなし(ふとん針)・大づなし(ふとん針)、溝大くけ、大くけ、中くけ、大ちゃぽ、中ちゃぽ、小ちゃぽ、もめんえりしめ、三ノ五、三ノ四、三ノ三、三ノ二・もめんぬい、小もめんと種類があります。

つむぎ針には、つむぎえりしめ、つむぎくけ、もめんつぎ、かたびら、つむぎと種類があります。きぬ針には、きぬえりしめ、四ノ五・きぬくけ、四ノ四、四ノ三半、四ノ三、四ノ二、四ノ一、きぬしきし、きぬつま、きぬと種類があります。

メリケン針には、12号、10号、9号、8号、7号、6号があります。キルト・パッチワーク針は、12号、10号、9号、8号、7号があります。さしこ針とビーズ針は、それぞれ一種類です。

手作り日本刺繍針は、大衣装、中衣装、小衣装、大太、中太、相中、相細、天細、切付、大細、極細、毛針、江戸付と種類があります。

初心者向けの針を伺ったら、ちょっとしたボタンつけやお直しには、メリケン針7号をすすめられました。6号だとジーンズ向きになるそうです。もめん針の三ノ四、三ノ三、三ノ二も、ボタンつけやお直しにオススメだそうです。

ユザワヤさんには、ちょこちょこカーテンランナーやら、ガーゼのは切れやら、買いにいけるようになったのですが、みすや針では、蛇ににらまれた蛙の気持ちでした。(裁縫好きの方には、天国でしょう)

でもそれでも、わからないって、トコトンわくわくします。みなさんが、この夏知り始めた、新しい世界のかわいらしさを、今日は思い出してみませんか?