論文を読むほどに

こちらでは、毎日よく雷が鳴っています。おはようございます。吉野実岐子です。

この数年は、よく論文を読んでいるわけですが「病気になったり事故に巻き込まれる経験は、人の役に立つんだな」と思います。なぜなら、一見病気や事故と関係なさそうなことでも、病気だからこそ検査したり、事故の予後だから検査が生じた結果、身体について新たなことが見つかったり、今まで言われていたことが訂正されたりしているからです。

病気になったり、事故に巻き込まれた方は、もちろん落ち込んだりナーバスになりますし、そこから孤独を感じやすいだろうと思います。「ずっと寝ているだけで、人の役に立ってないな」のようにも、思うでしょうが、少なくともそれは全く違います。入院費や検査費を払って、そこから出てくるデータが、確かにみんなに還元されています。

「どうしても元気になりたい」「原因を突き止めたい」という情熱があるからこそ、高額な費用を払ったり、また担当医もきちんと論文にしようと思わせられたりする側面は、大いにあるでしょう。「誰の役にも立てなかった」と嘆いて病床に伏せるのは、まちがっています。あなたが知らないだけで、あなたは今まさに人の役に立っています。

どういったらいいんでしょうか?論文を読むほどに、病気になったり事故に巻き込まれた方に、尊敬の念が湧いてくるのです。

あとづけバイアス

おはようございます。吉野実岐子です。

予測せずに正解を見ると、正解を知っていたような気がしてしまい「だよね!そう思ってた♪」と思えてしまうことを、あとづけバイアス(hindsight bias)と呼ぶそうです。

あとづけバイアスによって「自分は理解できている」と誤認し、実際には何も応用がきいてないのに、自分の現在地を見誤っている方を、非常に多く見かけます。あなたは、いかがでしょうか?

以前非常に驚いたのは「私がAという仮説を持っている」と憤られたため、Aという仮説を持てるはずがない事実をいくつかシェアしたところ、急に鞍替えされて「ずっとそうだと思っていた!」と言われたときです。もちろんその方の心身の健康状態を疑いました。

こういう状態になる人は、支配されていてそのことに気づいていない方に多いかもしれません。支配から抜けるだけで、頭の中がスッキリして元気がもりもり湧く方も、多数いらっしゃいます。

あの有名な2005年のスティーブ・ジョブズのスピーチに “Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And the most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.” とありましたよね?

獲得していたスキーマ

おはようございます。吉野実岐子です。

話題の『英語独習法』(今井むつみ著、岩波新書、2020年)を読み、私が英語に感じてきた不自然さが言語化されていて、大変スッキリしました。以下、70ページからの引用です。

「すると、英語を母語とする子どもも、日本語を母語とする子どもも、どちらも2歳までは動きの方向に注目し、動詞が特定方向の動き(例えば上がる、降りるなど)を指すと思っていることがわかった。しかし、3歳ごろには、英語が母語の子どもは、方向ではなく、動くさま(様態)が動詞の意味に組み込まれるというスキーマを獲得することがわかった。(中略)

このことは、方向性を動詞の中で表す日本語の移動動作の語彙化のしかたのほうが、英語の語彙化のしかたより、人類にとって自然な(デフォルトの)世界の見方に即したもので、英語はそこから逸脱した語彙化している、ということを示唆している。」

自分にとって、どのスキーマを新しくインストールすべきかがクリアになり、良書でした。わたしは、英語のネィティブ・スピーカー から、しばしばわたしが使う英語を褒められてきたのですが、それはわたしが獲得していたスキーマによることもわかりました。

地域にもよりますが、梅雨時ですし、ぜひどんどんスッキリしましょう!

「仮説をもち、予測をして、それが裏切られたとき、人は最もよく学ぶ」(p77)そうです。

環境のせいだからこそ、環境を変えよう

おはようございます。吉野実岐子です。

お決まりの山の中腹で、濃くなってきた緑に囲まれながら、身の回りの虫の変化について、お話しています。というのは、植物の変化よりも、今年はみられる蝶の種類が激変したり、とにかく例年あんなに玄関にもベランダにもいたアシナガバチを1回しか見ていないという、虫の変化のわかりやすさが際立っているからです。

全体として、虫の量やツバメの数も減っているようにみえます。また、春には見なかったカメムシを何匹も見ています。

そんなことを、お話している3分間です。ぜひお聞きください!

◆ 今日も”thumbs-up”

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【らっきょうと梅と納豆の手仕事休み】

おはようございます。吉野実岐子です。

鹿児島産のらっきょうが安くて、うっかり買ってしまったので、いつもの梅に加え、らっきょうも大量に仕込みます。

また、先日作ってみたら、すごく美味しくて売られているものを買う気が完全に失せてしまった納豆も、今のうちに仕込んで、冷凍保存しておこうと思っています。

そのため、少しだけこのブログ上ではお休みをいただきます。今する手仕事は、暑い夏に本当に助けになってくれます。

やっと紫陽花も色づいてきて、どくだみやかたつむりも出揃い、梅雨らしくなってきました。どうぞ皆様も、この時期を楽しまれてください。

前提を問題にしていませんか?

おはようございます。吉野実岐子です。

完全であることと、何かを全うすることは違います。前者は非現実的な目標で、後者は現実的な目標でもありますね。前者を求める人が、よく見受けられるのは、ネィティブスピーカーの発音や教科書の文法と自分を比較する形ですが、なぜ日本語の発音や日本語の文法には同じことを思わないのか不思議です。つまり、そこが非現実的な目標ゆえのおかしさの表れです。

つまり、完全であろうとすることは、「これでよし」と言えない未熟さの表れです。ガウディの建築物であるサグラダ・ファミリアなどは、明らかに未完ですが、今も作り続けられているだけでなく、現在の主任彫刻家が日本人であったりと、むしろ周りを巻き込んで、面白いことになっています。

完全を目指す前者の視点からすると「未完だからダメ」でしょうが、全うしようとする後者の視点からすると「これでよし」に向けて、色んな人がエネルギーを注いだり国境を越えた動きが出たりする、愛と呼べそうな何かのふくまれた動きは、食卓の話題に上りそうな、そんな人の心への届き方を見せてくれます。

完全を目指すのでもなく、あきらめでもなく「これでよし」とできる動きは、関わった人みんなに対する、そして作り続けたものに対する、大きなYESです。そういう大きなYESをいうのは、ダメだしよりずっと、勇気が要ることです。でもその勇気を引き受けた時、思い通りにいかないことや失敗は問題から前提へと、位置づけを変えるのではないでしょうか?

思い通りにいかないことはふつうだし、失敗するのも当たり前です。実際、冒頭で用いた外国語学習の例でいうと「間違えることこそ、近道」です。非現実的な態度で生きていると、こうした前提が問題になってしまうという、変なことも起こしていけるというだけです。

山に向かう⇔駅に向かう

おはようございます。吉野実岐子です。

今回は、川の近くで、ツバメや鶯と共に録音しました。居住地域というごく狭い範囲の中でも、山や川や海に向かう空間と、駅や商業施設や住宅地に向かう空間では、身体に真逆の影響を与えます。

上記の具体例は、ざっくりとしているので、本質からは逸れていますが、本質を言うと前者は比較的きれいな空間の代表として、後者は汚い空間の代表として、書きました。

日帰りキャンプに行ったりすると「帰りたくないなぁ」「家に近づきたくない」と思ったことがある方もいらっしゃるかと思います。でもそれを、多くの方が心理的な変化と決めつけて「久しぶりだったからもっといたかっただけ」「明日仕事だから逃げたくなっただけ」のように、ご自身を誤解しています。

今回は、こうしたことについて、とても大事なことを三分間お話しています。

◆ 今日も”thumbs-up”

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この一年のTOP7

おはようございます。吉野実岐子です。

約2週間ほどで、夏至となりました。この辺りで、この一年の間でみなさんに好かれた記事TOP7を、振り返ってみましょう。

  1. 悪いプロセスがうむ、すごくいい結果
  2. 「今が一番、すごく生きやすいです」
  3. どこからどこまでが腸?
  4. 天真独朗
  5. むしろ逆
  6. 空間を増やし、動線を整える 1/3
  7. より創造的になりたくて 2/3

ブログは10年を超す長い期間書いていますが、過去のものも読んでいただいて、ありがたいことです。ぜひ、過去のものも発掘してみていただけると、理解を容易に深めて頂けるでしょう。

人道支援に見える政治的目論見

おはようございます。吉野実岐子です。

なんとなく会話から漏れてしまうような話題を多く持っていると認識できるなら「それは健康的なのか」という問いが力を発揮するでしょう。

そういう状態にあると、健康的でない人間関係に搾取されている状態を「人脈があって素晴らしい」とか「支えられている」と認識しているケースが非常に多く見られます。

「子供のためだから」「しょうがないから」「良かれと思って」と言う言葉が自分の中に出る人間関係は、そもそも健康的ではありません。不健康な人間関係の中に入れば、良いふれあいと悪いふれあいの違いにだって、気づけなくなります。そうした大人の姿を見て育った子供は、どうなるでしょうか?

そもそも、家族が不健康な人間関係であることが非常によくあります。「家族で力を合わせればできる」といった視点からは抜け、人道支援に見えて実は単に政治的な目論見で動く国と同じようにみましょう。

Nuggets of Wisdom for the Ears

In my area, the rainy season has started earlier than usual. We have lost the usual delicious weather of typical May. Rainfall has continued for a week on green and small hydrangeas which means nature is not ready for the yearly rainy season. I often hear the sirens blaring to signal the release of water from dams.

Under such circumstances, I needed to stay home. So I listened to a lot of podcasts. Listening to podcasts is one of the easiest ways to learn English, because we can do it while cleaning our room or doing some stretches. Listening to the top news in different countries was very interesting and they tell me about a variety of political situations.

And in one of the most interesting programs they were talking about some tips on how to learn English for non-native English speakers through the lens of experts. What I remember is the following two tips. One is “You will never be a native English speaker, accept it!” I laughed! And another one is, “Learning English is doing, not knowing.” I nodded a lot.

Also in other podcasts, there were great nuggets of wisdom such as, “Humor comes from truth” and, “To write well, read texts of economists, because they write it clearly and simply.” I never thought that I could read economists’ writings to write well. I really want to do it. Rainy days which made me stay home opened a lot of doors to live richly.

会話からなんとなく締め出されること

おはようございます。吉野実岐子です。

少し前から月経について、メディアが話題にするようになりました。これまでは、どちらかと言うと月経そのものを隠す動きが強かったですよね?例えばドラッグストアに行くと、月経用品に関してだけ、必ず紙袋に入れてくれます。恋人にあるいはパートナーに「月経用品を買ってきて」と頼んで、躊躇された経験がある方もいらっしゃったでしょう。

そんな風にして、月経が一般的な会話からなんとなくでも締め出されてきたことは、月経に関するどこか気後れするような後ろめたいような、一般にネガティブと呼ばれるフォーマルあるいはインフォーマル態度を、生かしたままにしてしまったでしょう。(ここでは月経の話を書いているようで、実は性差に関する全てについて書いています。そのように読んでくださいね)

そして、こうしたことの影響自体が、軽んじられてきたと思いませんか?こうしたことが「女子の人生にネガティブな影響与える可能性があり、自分自身のからだについての生涯にわたる不快感を引き起こし、問題が起きたときに助けを求めることを控えることにつながる」(『国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】――科学的根拠に基づいたアプローチ』ユネスコ、2020年、明石書店 p34)とは、全く認識されていないだろうと思います。

「質が高く、年齢と発達に応じたセクシュアリティーと人間関係に関する教育が欠如していると、子どもや若者が有害な性的行動や性的搾取に対して脆弱なままに置かれる可能性がある。包括的なセクシュアリティー教育から複雑な論点を排除することは、若者を脆弱にし、彼ら自身の性的行為と人間関係における彼らの行為主体性を制限する」(同上、p35)は、まさに今すでに大人の私たちがそうだったと伝えてくれています。

大切なのは、性的表現が隠されるべきものでなく、相手を尊重しコミニケーションを重ねた上で、さまざまに表現されることを、心の奥底でも許していけることでしょう。いつでも性的関係を止めていいし、いつでも性的関係を遅らせていいし、また性的関係を持つ権利があると言う視点も含まれてくるでしょう。そして、それらは「一般的にはこう」という何を示すかわからない基準と照らし合わせる必要もなければ、そこで生まれる利得もないのです。

幅広い選択肢がそこにあり、自由に選び直し続けられるという柔軟さは、恥や罪悪感にまみれた大人の方にこそ、必要なものではないでしょうか?

If You Have Loved Ones Who Are Girls or Women

I’ve started reading a book called “From Outrage to Courage: The Unjust and Unhealthy Situation of Women in Poorer Countries and What They Are Doing about It” written by Anne Firth Murray. Under the world affected by COVID-19 for over a year, I wanted to have a wider lens to see myself and the world. Even if we can’t go far away, we can have an adventure with many new lenses to see the world objectively.

At first, I was very impressed by Anne’s presence because she looked someone who walks the talk. She has devoted her life to supporting women’s human rights. And she was nominated for the Nobel Peace Prize. So her words touched my heart, even if they are just describing some data like “79% of females over the age of fifteen are literate.”

And also when I read her observations about the “son preference,” I cried. The preference for sons over daughters exists both in my family, my mothers’ family and many coaching clients’ families. I was very familiar with it through my work. In the first chapter, she wrote “their births are all too often something more to be endured than to be celebrated.” When I read this sentence, I said “Yes”. Objectively, Japan is not a poor country but the “son preference” still exists and I witness it almost every day in my life. And this issue is deeply related to sexual trauma.

I just finished 10 percent of this brilliant book, but I can recommend it to you, if you have loved ones who are women or girls. We can see many things around women not only from the perspective of the social and economic system but also from human rights and many more. It will help you to love your loved ones more. And Anne’s dignity which is shown in her writings is also worthy of being respected as a way of living for all humans.