上質なことをたった一つしよう

キダチアロエは、タンパク質をペプチドやアミノ酸へと分解する速度を、上げる作用をもつようです。

心を喜ばせているつもりで、欲を満たしていると「たくさんできたか」を拠り所にします。例えば「今日もたくさんのことをできたか」で今日の充実度をはかるのです。

そんな風に量にばかり目を向けていると、あなたの日々の営みは、毛玉だらけのセーターや裾が解れところどころ伸びたニットワンピースが溢れかえったクローゼットのような、だらしなさや薄汚さや軽々しさを増していきます。

そうではなく、まずは「たくさんできたか」ではなく「今日たった一つの上質なことをできたか」に、シフトしてみませんか?つまり、たったひとつでも、うんと上質なことをするのです。

例えばきちんとお掃除しきって、帰ってきた子供たちが、その気持ち良さに悪ふざけを自然とやめる空間をつくり上げます。例えば、共働きで残業だらけでも、お味噌汁だけは自分が思わず「あ~おいしい」と溢すような上質なものを作ります「うちは買ってきたお惣菜も並ぶけど、味噌汁だけはほんとおいしくて、絶対手作りなんだ」とあなたのパートナーが友人に話す光景が、目に浮かびませんか?

わたしたちは老いると、量では、必ず若者に負けるます。ただ、あなたが理に沿って生きた度合いが高いほど、老いたあなたは高い質のものを生み出せる人間になっています。

量をこなすのではなく、質を高める方へと意識の置き場を変えたなら、今までのあなたの欲深さは、朽ちやすくなります。欲をピーリングすれば、今まで気づかなかった微細な世界に入る扉がひらくでしょう。

初出:2019/02/04【 清 ら か に 】
最新号はこちらから