FAPとコーチングを併用されるクライアントさん(女性、52歳、夫婦二人暮らし、インタビュー当時のFAP歴17ヶ月)のインタビューをお届けします。ずっと正社員で働かれてきた方です。
Q1.FAPに抱く印象は変わりましたか?
20代に受講したセミナーの印象から「辛いことをしないとトラウマを解消できない」と思っていたので「こんなことでトラウマが変わっていくの」と初回は驚きました。
FAPを続けるのは、総称するとうれしいからです。20代にコラージュを使ったセラピーで「親に抑えられ上に行けない」と親の嫉妬を示唆され、花を使ったセラピーでは自分の裏に触れたくない自分を自覚し「どうしたらいいの」と思っていました。あの疑問に、今応えられています。乳児で亡くなった兄がいて、男の子を望まれた中に生まれ、そうした性的トラウマもある中「自分の全部を、等身大で見たい」と、30年間願い続けた自分がいたんだと思いました。
今までは、得体のしれない何かに悩んでいました。何に困っているかを明確にしようと本を読んだりして「これかもしれない」と果敢に挑戦しては、少し改善しても、どこか的外れということの繰り返しでした。
それが、FAPでは細胞や筋肉に残る自分の体験にもアプローチしていくから、自分が頑張って生きてきた証を毎回見ている感じで「そういえば、こう変化していた」が繰り返し起きます。FAPでは毎回「人間ってすごいな!」をやっている感じがします。
Q2.コーチングとFAPは、どう違いますか?
どちらも、自分を理解するためにありますが、コーチングは話す内に理解が進み整理されて腑に落ちるのに対し、FAPは過程がどうなっているのかわからないままです。
例えば、子供の頃『アンの友達』という本を友人に借りて、カタカナの名前がいっぱいで、誰が誰かわからなくなりました。今は、話も文字も耳や目に入らず弾き返す感じが減っただけでなく「そういえば、カタカナをスラスラ読める」状態ですが、いつそうなったのか、わからないんです。
コーチングとFAPの合わせ技で発見した 感覚過敏・ミソフォニア(音嫌悪症)も、光を浴びると頭痛になるし、ひそひそ話す人の声・ポケベルや炊飯器の電子音・プリンターのキーキー音・「あんなに電話とらなければいいのに」と思っていた、違う島なのに、まるでよく通る声のように聞こえる高く細い電話応対の声は、こめかみがしめつけられ、そういえば嫌でした、でも「今あるものに、自分が合わせていかないと。だから訓練しよう」と発想し「それでこそ強い子」と満足でした。「自分を楽にするなんてインチキや贅沢だ」と頑なでした。
でも、晴れた日にサングラスを使ってみたら、運転後の首と肩がすごく楽で「二画面立ち上げて働く今の職場は、眩しすぎた。身体の緊張をうむ一因でもあったんだ」とハッとしました。苦手なものと出会うと自分に適応を迫り、ダメ出しし続けてきたけれど、今「自分には至らない部分がある」と、軽やかに言えるようになったんです。
Q3.FAPに求めるものは、変化しましたか?
初めの頃は、頭で探って「ずっと気になっているから、ここトラウマですよね?」と占いに行くような感覚もあったり、コーチングで自分を見て「FAPでここを解消したら進めるな」と思ったりもしていました。
今はもう、自分が知っているところをお願いしているわけでも、またそう言えるものでもないものを扱っているから「自分が気になることを何とかせねば」から「自分が知らない自分の傷が見つかるのがいいな」にシフトしました。FAPを受けて2日経つとよくわからないところに押し込められていた過去の出来事が整理できた感じで、自分に対して肯定的になれて元気が湧きます。
ある時、空を見て「月が出てる」と思うように「なんだ~ネグレクトされてたんだ。そうだったんだ~」と思いました。例えば、妹の誕生時「アメリカに行く」と聞かされていた父は実は結核で入院中、母も産後約1ヶ月間入院生活でした。小さい私がどこで過ごしていたのか、誰も覚えていません。
「昔のこと、なんでこんなに覚えていないんだろう」と思い、だからFAPをやりたかったのもあります。幼稚園の頃から、遠くを見つめ「さびしい」と、黄昏ていました。小1の頃も、学校から帰ると誰もいない家にいっぱい集まった友達に、おにぎりを作って振舞い「これをして遊ぼう」とリーダーシップを発揮しながらも、ふとした瞬間にはスナフキンのようになっていました。
夕方には、弟と妹が預けられた家にバスで行き、教員だった親の帰りを一緒に待って、親には「楽しくやってたよ」と見せていました。母に、ずっと悩み事がないと思われていたんです。「いっぱいあったけど?」とびっくりしました。小学生の時から、朝起きると一番にチョコレートの生活で、朝食を家族揃って食べた記憶がありません。夕飯も夜8時以降で、栄養バランスも悪く、ご飯・みそ汁・刺身のような感じでした。ステーキがあっても、大きいのは父専用、あとの1枚を4人で分けていました。弟だけ贈り物が大きいこともあり、男社会でした。
Q4.コーチングにどう影響しましたか?
FAPだけだったら、自分の変化や「ここをこうしたい」は見つからなかったかもしれません。コーチングもどっちもやっていたからどっちも続いて、両輪だと思います。
コーチングで「車に乗るとすぐ音楽をかけるのは、マスキングじゃないか」と指摘されて「自分の中から何かが出てくるのが嫌だから、音楽をかけている」と自覚できて、最近はかけないで大丈夫な日があるんです。親も、最近は何も言って来なくなりました。
FAPを始めて、小さい頃の記憶も少しずつ戻ってきて「楽しいことはあったよね。でも何か泡沫の…」と思ったりします。強烈な寂しさが、ずっとありました。何をしたら本当に楽しいのか、実感がないまま「これを気にしないといけないのかな…?」と色々な物事に近づいていた人生でした。
FAPでは、自分でわからない苦しみがとれます。全然怖くないし、ちょっとゲームみたいな面白さもあります。鉄板みたいだった背中にも丸みが出て、文字通り肩の荷がおりました。表面じゃなく、身体の中の固いのがなくなったから、内臓が変わったかのようです。「ここ」とわからない辛いものを、解消できる場がやっと見つかって、言語化できていない自分にこれからも出会えるんだろうなと、FAPを続けています。
* FAP(Free from Anxiety Program)の詳細はこちらです。
* Keywords: 感覚過敏 / ミソフォニア / 音嫌悪症 / ネグレクト / 学習障害 / Specific Learning Disability / Specific Learning Deficit / Specific Learning Disorder / Hyperesthesia / Misophonia / Child Neglect