実家の居間で、サザエさんがつけっぱなしになっていて、眺めながら「んんん?」と、思いました。色合いも、セリフの言い回しも妙にギラギラしていて、わたしの知っていた「ホッとできる」サザエさんからは、程遠かったからです。
ストーリーは昔からある感じですが、そのストーリーで、猫を被っているように、見えました。試しに、子供の頃見ていたかつてのサザエさんを探して見てみたら、やはり全然違うのです。
かつてのサザエさんでは、酔っぱらったお父さんを、車内で寄りかかられた人達が、わざわざ家に送り届けてあげる様子が、「普通に」描かれています。「着物の帯を結んで」とご近所さんが駆け込んできてカツオくんやワカメちゃんが、裏のおばあちゃんや伊佐坂先生の奥さんに、助けを求めて、その結果、普段とちがう休日を過ごせて、楽しかったと、「普通に」描かれています。
サザエさんに感じた感覚は、首都圏全体に感じる感覚と一致します。首都圏は、漂白したような異様な明るさに、満ちています。(関西にも、広がりつつあります)実際、エキナカやテレビのセット等、蛍光色の白が、多用されています。次々お店は変わり、目先だけを変えた偽の風通しの良さを生んでいます。資金繰りのきつい、自転車操業の会社風です。あやうくはかないのです。
この感覚は、水・空気に感じる感覚にも一致します。東京の水も以前に比べて、ピリピリするようになりました。痛みに耐え兼ね、東京滞在中は、お風呂にビタミンC(水道水の塩素を中和)入れています。また、空気も汚な過ぎて、東京にいると、すごい勢いで肌が荒れていきます。僅かにましな京都に戻ると、しばしゆっくり療養中のようになります。
それは、環境の悪化というより、人の悪化です。人が汚いから環境も汚くなり、地球の回復力では間に合わなくなってしまいました。すべてのシステムはつながっていて、あなたがきれいになれば、環境もきれいになります。「生まれた時より、ずっときれいな地球を遺せた」そんな思いで、この人生を終えたくありませんか?
初出:2014/01/19 【 清 ら か に 】
*最新号はこちら