大きなあなたのままでいよう

冬眠に近いメカニズムが働く「クライネ・レビン症候群」という病があるそうです。

日本では出会いと別れの季節ともいわれる春は、つながれなかった痛みが、ふっと舞い戻りやすい時かもしれません。もし、今あなたがまさにそうなら、誰かや何か(動物など)に合わせてもらってうれしかった経験を、今、思い出しましょう。

それは、落ち込んでいる日に、いつもはやんちゃな猫がずっと膝の上にいて、愛情深い目で見上げてくれたことかもしれません。あるいは、失恋したあなたの話を、友人が延々12時間も電話で聞いてくれたことかもしれません。

味わっていくと、目の奥がじーんとしたり、身体がポカポカしたり、手足の感覚がクッキリしてきたり、みなさんの中でさまざまに展開するでしょう。つながれなくて痛くて、視野が狭まる中でも、合わせてもらってうれしかった経験を思い出していくと、大きなあなたのままでいやすくなります。

初出:2016年3月1日