ラグジュアリーなホテルや茶室を真似る

本当に薔薇の香りが漂ってきたような気がする作品でした。

例えば、旦那さんが、何度言っても、玄関で靴をそろえてくれません。揃える意識ゼロの脱ぎ方になっています。奥さんは、これみよがしに靴を揃えなおしたり、しまいには子供から「パパ、靴!」などと怒られたりもしますが、変わりません。

この時、旦那さんの中では、ドアを出たら「外」で、ドアを閉めれば玄関のたたきも「内」といったまとまりで、捉えられているかもしれません。そして、奥さんの中では、ドアに向かって玄関のたたきから先は「外」で、玄関のたたきをのぞく室内は「内」といったまとまりで、捉えられているかもしれません。

大抵の人が「外」では緊張し、「内」では緩みます。この場合も、玄関のたたきは「外」という合意が成されれば、靴は自然と揃えるようになるでしょう。ドアに向かって玄関のたたきから先の空間に、なにか緊張感を生み出すのも、「まとまり」のラインを変更していくことを、助けてくれます。ラグジュアリーなホテルの部屋やお茶室など、緊張感のある空間を、参考になさってみてください。

初出:2017年4月12日