琉球伝統銘菓「きっぱん・冬瓜漬」

最近は、地からし粉を使っています。

約300年前に中国から伝わったとされる、琉球伝統銘菓「きっぱん・冬瓜漬」を頂きました。ジューシーでやさしくて、心身がゆるんでいく、極上の味でした。食べていて、涙が出そうになります。冬瓜は夏いただきますが、こうしてスィーツで頂くなんて、思いもよりませんでした。

初めて知るお菓子でしたが、現在、製造・販売しているのは「謝花きっぱん店」たった一軒で、冬瓜を煮つめて、シークワーサーなどを加えて作る、非常に手間暇のかかるお菓子だそうです。相手のことを考えないと、全体を感じないと、真心からでないとつくれないお菓子です。冷凍で長期保存が可能で、冷凍庫から出してすぐスライスできるのも、新感覚でワクワクします。

ドライフルーツのような感覚で、パン生地に混ぜたり、コーヒーや泡盛と一緒に頂いたり、チーズやナッツと頂いても美味とあって、好奇心が刺激されました。一般の人が口にできるようになったのは、琉球王朝がなくなった後のことだそうです。

冬瓜蜜なども、取り扱われているようなので、ぜひ今度使わせて頂こうと思います。メープルシロップや蜂蜜にもない、惜しみない優しさを感じる蜜です。沖縄のものは、どこまでもやさしいです。いただくと、多くの人がモナリザのような顔になっちゃう沖縄の物・サービスは、いつも「やさしさが強さである」ことを、リマインドしてくれます。そして、その裏にたくさんの涙があることを、忘れた日はありません。

これからも、沖縄の物・サービスには、たくさんお世話になります。本土の人が移住し始めた物・サービスは、こぎれいで取っつきやすいのですが、ずっと沖縄にあるものにもアクセスし、応援なんておこがましいので、ただ微力なわたしなりに、お世話になっていけたらと思います。

初出:2016年6月4日