不快に注目することを、優しさだと思っていませんか?

波の大きさという地域差はあっても、相変わらずうねる気候ですね。初冬と夏までを3日周期でゆらんゆらんするような日々ですから、そのゆりかごの中で、またブログを書いてみます。 不快に注目することを、優しさだと思っていませんか?みんなで集まっていると、浮かない顔に見える人を、気にしていませんか?みんながニコニコしていて欲しいという願いを持ち出して、その先を考えないようにしていませんか? テレビを見ていても、つい不調和な感じがする人を見つけてしまって心配したり、その人について調べたら何かみつかると、急に裏返って「自分には見る目(センス)がある」と思ったりしていませんか? こうした動きすべてが、あなたの心の傷のありかを知らせてくれています。その心の傷は、本来のあなたではなくて、いつでも癒える許可を出していいものです。 みんなが笑顔でないとなぜ苦しいのか、なぜその場にいる楽しんでいる人やあなた自身の世界にとって大切なものに注目しないのか、そしてそう考え始めることが決してたやすくはなかったのはなぜか、考えてみたことはありますか?

「傷ついた」と表せますか?

最近やっと『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み、久しぶりにブログも書きたくなりました。G.W.におすすめの一冊です。

性的トラウマは、生まれた時から当事者意識を奪うような「装置」の中で、生まれます。初めからそうだったから「そういうものなんだ」と、傷ついたと、なかなか認識できないようになっています。例えば、男の子が生まれたら喜び、女の子だとがっかりする国は、非常に多いですが、これもそんな「装置」がその国にあることを表す、氷山の一角でしょう。

この本では、そうした「装置」が、実にさりげなく描かれています。例えば、会社では、二人の女性に難しいクライアントを任せてきたのです。それは、二人の女性の能力が高くて、正当に評価したからでしょうか?

「二人の女性を男性より信頼したからではなく、ずっと会社に残っていっぱい働く男性たちには、やる気をなくさせるような辛い仕事はあえてさせないのだった」

(電子書籍で読んだため、ページ数不明)

妊娠や出産に関する制度利用については、今の日本でもなんだかんだ言っても同じだろうと言う一文がありました。

「与えられた権利や特典を行使しようとすれば丸もうけだと言われ、それが嫌で必死に働けば同じ立場の同僚を苦しめることになるという、このジレンマ。」

この物語の中では、社内で盗撮事件が起こります。社長は、加害者被害者どちらの社員にも、家庭や両親があることを持ち出して、この事態を隠蔽しようとします。こうした展開は、盗撮事件でなくとも、みなさんの居場所でよく見られませんか?

「家庭があることも両親がいることも、そんなしわざを許す理由ではなく、そんなことをしてはいけない理由ですよ。」

そして、こうした「装置」の中で育つと、自己検閲する働きが強く内側で起こり、自分の声を失い、当事者意識がそもそも芽吹きづらくなります。すると、同性による性的トラウマもうまれます。こうした構造が、細やかに描かれた本でした。

そして、解説部分で触れられていた『九十九回の春夏秋冬』(イ・オンナム著)をぜひ読みたいと思ったのですが、日本語訳されていないようです。この本は、1922年生まれで「女だから」と字を習えなかった女性が、こっそり字を覚え、読み書きできることを隠して生き、夫も姑も亡くなってから、ようやく自由に読み書きし始めた、76歳からの約30年の記録を抜粋したものだそうです。もし、英語版を見つけた方がいたら、ぜひお知らせください!

秋冬春ちゃんぽん

桜がまだ咲く中、新緑も広がり、かつ秋の虫も夏の虫も鳴き始め、開花済みの藤棚には蜂も虻も一匹もおらず、もうすごいことになっている2023年春です。

Continue reading

My Happiest Moment

After watering plants on my balcony and purifying air around my balcony in a shamanic way, many insects appeared in my garden.

On that day, I transplanted mint to a larger pot and thinned seedings of Japanese basil and arugula. As always, after I watered all the plants and purified the air around them, I went inside.

While drinking tea and snacking on strawberries in my room, I looked at the sky from the window. Then bombus ignitus, which is a native bumblebee species, showed up in my balcony. Bombus ignitus is a black round cuddly bee. At that moment, blueberry and viola were flowering. Bombus ignitus prefers viola which has short floral tubes, because they have shorter tongues than other bumblebees. And bumblebees are well-known in the western world. For example, they appear in “Winnie-the-Pooh”.

It was the first time to see bombus ignitus in my balcony. It was so cute and lovely. I tasted my happiest moment. Currently, air pollution hinders the ability of finding flowers for bees. According to scientists, bees could catch a flower scent from a distance of over 800m in the 1800s, But now flower scents reach within only 200m for bees. I planted some flowers for bees. So when bees show up in my balcony, it always makes me very happy.

初出:2015年4月29日