行き来こそが快楽。

さぁ、4月になる前に、リセットしましょうか!

柴田元幸さん(翻訳家、アメリカ文学研究者、東大名誉教授)が「こんなに同じなんだ、こんなに違うんだを行き来するのが、快楽」と仰っていて、本当にそうだと思いました。彼はアメリカ文学を読む快楽について話していたわけですが、つまり、コミュニケーションは快楽だと話してくれていると、わたしは感じました。

行き来がポイントで、「こんなに同じなんだ」の連打でもなければ、「こんなに違うんだ」のドミノ倒しでもありません。同時に「こんなに違うんだ」を掘っていくと、必ず「こんなに同じなんだ」にしかたどり着けないのが、面白いです。寄せては返す波のように、結局怒涛の「こんなに違うんだ」の先には「こんなに同じなんだ」が待っているだけで、そこは多くの方にとって、安心ポイントとなるでしょうか?

「コミュニケーションは快楽」という感覚を、ぜひ持ってほしいなぁと思います。多様性やインクルージョンを叶える上で、一番大切なのは、この感覚だと思っています。人間社会のあれこれって、毎日のやりとりって、快楽なんですよね、結局。

初出:2015年8月11日