年度末ですが、目標を作ったら、次にしておきたいことがあります。
都会で暮らしていると「モンシロチョウだ」「蝉の抜け殻」「ひまわりが咲いている」のように、自然を点から感じ、それで満足しやすいと思います。
田舎で暮らすと、単体の植物や動物ではなく、生態系そのものやそこに影響する気象がうまれた背景が、面で迫ってきて、そのダイナズムに圧倒されます。田舎暮らしは、一部への表面的な対応ではなく、システム全体への持続可能な対応を考えるよう、自然が背中を押し続けてくれるのです。
先日、カーテンをあけたら、バイクがエンジンを思い切りふかす音がしました。部屋の隅々までみても、何もいません。ちょうど窓から見える道をバイクが走っていました。「あれ・・ずいぶん音が近いけど・・でもあのバイク音なのかな・・?」と、ガスの火を止めにいきました。
やかんのお湯をポットにうつして戻り、もう一度窓に近づくと、なんと死角になるところに、アシナガバチがいました。窓と網戸の間です。とにかく「助けて〜」と羽をブンブンして、すごい唸り音をたてるので、少しずつ網戸をずらして、窓との間に隙間をつくり、なんとかいのちからがらの体で逃げてもらえました。
羽のうなる音が、あんなにもすごい音だとは思わず、また体のサイズからして、入れないはずの場所にいたので、驚きました。アシナガバチは、毎日おやつの時間の頃に巡回にやってきますが、嵐の前などいつもは来ない午前中に来たりと、ちゃんと気象の異変を見せてくれます。
また、アシナガバチが複数きて「おやっ?」と思っていたときは、いも虫つきまくりの時季でしたし(今は予防のため、忌避効果のある唐辛子入り木酢液をスプレーしています)、アシナガバチがたくさん来た頃は、スズメバチも食すオニヤンマがせっせとやって来ました。
もし都会にいたら「やったーオニヤンマだ。珍しいけど、ラッキー」で終わりだったかもしれません。ここでは、上のように生態系や気象条件も面となって迫ってくるので、いのちのダイナミズムをすごく感じます。
巡回する虫は、大抵決まったリズムを持っています。アシナガバチやマルハナバチのように、存在感はあっても、実はおとなしい虫については、そのリズムを知ってあげましょう。また、家に入って飛び回る虫(蝉など)は、パニックになっています。少し待ってから、窓際に誘導してあげましょう。
アシナガバチは「とにかく外に出たいんです。間違って部屋に入ってしまっただけです」というメッセージが明白な虫です。窓際にいつづけてくれますから、落ちついて外へ誘導してあげましょう。
初出:2017年7月30日