トラウマ体験後は、片づけができなくなることは、知られています。また、リラックスを避けようとします。リラックスすれば「自分の身体の中にいて、安心できない」と自覚してしまい、あの嫌な記憶がよみがえってしまうからです。そんな時は、Yvonne Dolanによる”The 5-4-3-2-1 Technique”がいいとされています。過去に侵入されている現在にいながら、現在の領域を増やせる方法です。
良かったら、今一緒にやってみましょうか?そうすると、いざというとき思い出しやすいでしょう。まず、ぱっと目に入るものを5つ言ってみましょう。「コップがみえます、田んぼがみえます、山がみえます、ペンがみえます、机がみえます」のような感じです。次に聞こえるものをやはり5つ言います。「クーラーの音がきこえます、空気清浄機の音がきこえます、セミの鳴き声がきこえます、飛行機の音がきこえます、蛙の声がきこえます」のような感じです。さらに感じるものを5つ言います。「タオルの感触を感じます。湿気のべたつきを感じます。つま先のぬくもりを感じます。左手のしびれをかんじます。靴下が足に触れているのを感じます」。
同じように、また目に入る4つを言います「茶色の家が見えます。葉がゆれているのがみえます。雲が動いているのが見えます。白く煙った空が見えます。青いスケジュール帳がみえます」聞こえる4つを言います「クーラーの音がきこえます、空気清浄機の音がきこえます、セミの鳴き声がきこえます、遠くの飛行機の音がきこえます」感じる4つを言います、「膝の間の暑さを感じます。机と左手の間のべたっとした感じを感じます。タオルの感触を感じます。足裏の温かさを感じます」このように、内容は先ほどとかぶっても構いません。
それでは今度は3つです。目に入る3つを言います。耳に聞こえる3つを言います。感じる3つを言います。そして2つです。目に入る2つを言います。耳に聞こえる2つを言います。感じる2つを言います。次は一つです。目に入る1つを言います。耳に聞こえる1つを言います。感じる1つを言います。
初出:2017年7月28日