医師には、technicianとhealerの二種類がいます。technicianは、機械のように身体をみて、部品交換のようにfixしようとします。こうした医師を好む患者は、無責任でありたい人です。医師が100%元通りにしてくれると考えれば、自分は無責任で済み思考停止でいられます。自分を機械のように扱うことをよしとしている人ですから、自分を見捨てています。
healerとしての医師を選ぶのは、自分の人生に責任を持ちたい人です。自分の肉体にも好奇心を向け、尊厳は自分で守ろうとします。だから、尊厳を尊重する、comprehensiveに人を見る、wholenessを生きる医師に、近づきます。治療という名のもと、身体のシステムが変わる可能性を見ています。人体はそもそもfixできないと理解しています。
実際、症状が消えたとしても、体質が変わったり体力が低下したりといった後遺症のようなものに、多くの医師は関わろうとしません。「病気になっても、100%元通りにしてもらえるから大丈夫」という異常さに、気づきたいところです。
初出:2018年7月15日