無比無類を比較してしまう根源。

今年は、改正外来生物法で、ミドリガメやアメリカザリガニを販売したり、野に放つことが禁じられました。

わたしたちは「ホッキョクグマとライオンはどちらが強いのか?」といった愚かな問いを持つことがあります。そもそも、ホッキョクグマとライオンは生息域が違い、出会うはずのない者同士です。

出会うはずのない者同士を出会わせることは、自由やパワーではありません。出来上がっているパズルをあえてひっくり返すような、秩序を乱し、不調和をもたらす、尊重のない行為です。すべてに中心があることを理解していたら、絶対にしてはいけないとんでもないことだと、理解できます。

しかし、自分に中心をおくと、こうした比較すべきでない者同士を比較することで、より能力や魅力が洗練されるというあやまった方へ進みます。そうして、やたら違う国に住んでみたり、競争に過剰に反応したりと、自分を他者と比較していきます。比較すれば、自分の存在意義がわかると思うあやまちをおかします。

何をどうしても、あなたの母親はたったひとり、代わりのない存在です。あなたもたった一人、代わりのない存在です。誰かの代わりになれるという発想を前提にした、比較という思考は、自分で自分に「死ね」と言っているのと、全く同じです。

無比無類であるものを、比べようとする傲慢さは、母親との関係にあやまりがあることを、表します。その状態で、あなたが安全を感じられることは、ありえません。母親はあまりにも偉大で、はじまりです。そのことを理解できない人は、母親の過大評価をしていると、感じるでしょう。

初出:2017年8月24日