盛るから、魅力が消える。

起立性調節障害と診断されている方の中に、脳脊髄液減少症の方がだいぶ混ざってしまっているという報告があります。どうもおかしいなと思う方は、脳神経外科などに行ってみましょう。


盛るから、魅力が消えます。お化粧や似顔絵という文脈でお伝えすると、みなさんは受け取りやすいでしょうか?「もっとここがこうだったら」を、どんどん形に落としていくと、どの顔も似たり寄ったりになります。自己満足度は上がっても、客観的に見ると、魅力は減っています。

何よりも盛った過程を知っている自分は、自分の顔を見て作り物のようだと感じることを止められず、せっかくの努力が逆に引け目へ転じます。「これがわたしの顔です」と、堂々と言えなくなります。心がくすみます。さらに、魅力が減ってしまいます。

実は「もっとここがこうだったら」と思うブサイク要素を隠さないことが、魅力を高めます。ブサイク要素は、人の注目を集めます。美人は三日で飽きるけれど、ブサイク要素があると、毎日だって何年たっても目が行きます。そういう特色を薄めたりソフトフォーカスにしてもいいけれど、隠すのは止めましょう。お化粧で言うなら、隠したいそのシミ、敢えて消し切らないでいきましょう。

人は必ず老います。それは、あったものが失われていく過程でもあります。シミが出て白髪が生えるプロセスに抗って、盛ってイリュージョンのような今をつくりだせば、魅力も自信も特色も全て減ります。

あったものが失われた事実やブサイク要素を消し切らず、その分を凛とした気持ちでカバーすると、気持ちも若々しく、目の離せない魅力たっぷりの人になるのではないでしょうか?

初出:2017年6月15日