元通りは回復でない。

登山のオンライン講座を発見してしまいました!

回復の本質は、変容です。欠けたものが元通りになるのは、回復ではありません。特に病気になった人は、回復後の姿を病気になる前とイコールに考えますが、この発想は、回復を妨げます。あらゆる不調・トラブルは、ただあなたをよりよくします。恐怖や不安から、その機会を奪わないことです。

治すという発想は、ほとんどの場合、病気だと認識する前に戻ることを暗に含みます。機械論的な考え方で、壊れたねじを新しいねじに取り換えるような発想です。人間の持つ身体や心の有機的なつながりや、いのちのつながりであるwholenessを無視した、不自然な発想です。故に、この考え方に固執する時、人も地球も回復しません。変容も生まれません。

不調やトラブルほど、今までにない変容の入り口です。そのことを普段から理解しているなら、この記事を読んだとき「自分はちがう」と、遠ざける動きは一切起こりません。「病ではない」「不調ではない」「トラブルではない」と思い込みたい時、既に機械論的な考えを生き、回復から程遠いでしょう。

病気やトラブルと認識する以前のことができるようになったとしても、以前よりずっと委縮したまま、人生を展開させていくしかなくなります。それを病気やトラブルのせいにし、より萎縮します。しかし単に、それはすべて、あなたから始まっています。その機会を奪わないことが、人として尊厳ある態度です。

初出:2017年5月5日