生きていれば、打ちのめされる日もあります。絶望にとらわれる日もあるのは、普通です。少し楽をしていただけのつもりで、なかなか抜けられない沼にはまってしまっていたと気づいて、顔から血の気がひくようなこともあります。
そんな時に、何度でもあなたを立ち上がらせるものは何でしょうか? 愛する人でしょうか? 無垢だと感じるような子供や動物の目や、誰かが真剣に生きる姿勢でしょうか? 元気をくれるあの歌でしょうか?
もちろん、腰が砕けたようになっているあなたを立ち上がらせてくれる物や人や状況は、いくつあってもいいし、多くある方がリスク分散できます。でも、他者が与えてくれるものではなく、あなたの内から芽吹くようにぐっと力が湧く、「助けて」と叫ぶ声を振り絞れるような、自力の部分であなたをぐっと支え、いのちを強めるものは、何でしょうか?
それが「今の仕事だよ」「今の職業です」と答えられる必要があります。仕事での苦難や突き抜けるような喜び、職業上のタブーを塗り替えるようなチャレンジが、あなたのいのちを内側から立たせて強めてきた実感が、ありますか?そのくらいの努力はしてきましたか?荒ぶる時代、自分で自分に着火するような、ぐっと立ち上がる力は、ますます必要です。
幼さを引きずったまま大人になったことを自覚できずに、所属そのものを生きる意味と捉えている内は、何度でも立ち上がる力を得られることはありません。
それどころか、所属することが生きる意味であるならば、所属する集団(家庭や会社や国家)があやまった方に進んでも、抜けることも逃げることもできず、イエスと言い続けて、やがてはその所属する集団に「殺され」ます。死んだ魚のような目になり、守るべき対象である子供や神様に癒しを求めるという、太陽を西から昇らせるような理にかなわないことが、平気になります。
初出:2018年9月26日