早く成したいことこそ、時をためてゆっくり、すべてとの調和を創っていく必要があります。さぼって時を流してしまうのではありません。時をためるのです。ことこと煮て時をためて、天日でじっくり乾かして時をためて、自然乾燥させて時をためて、これは日本の暮らしに昔から根付いてきたことでした。
干せば必要な時に食べられるようになる、干し柿などの保存食も時をためたものですし、東北などで雪の中に野菜を埋めて保存しておくのも、時をためるやり方です。早くやろうとするほど時は流れ、すかすかになります。効率は、時をスカスカにします。時をためるほど、調和が時を生んでくれます。
初出:2017年2月28日