正直「フェーズフリー」で行かないとやってられないくらい、災害が増えました。
わが家の辺りは、よく雲海が出ます。ベランダまで霧に埋もれ、窓を開けようとして家が浮いている感覚にギョッとしたこともあります。電車に乗っていても、ホームが完全に霧に埋もれていたことがあり、雲海や霧は、日常のものです。
そんな身からすると、東京のお高いホテルで雲海サービスがはじまっている(庭に霧を発生させ送風)ことは、滑稽に思えます。きれいだと思う気持ちは、ある程度わかります。(あるところからは、怖くなります)
しかし、日常に雲海があるとは、それだけ湿度が高く、そういう環境に合う生き物が一緒についてくるということです。そこには、皆さんの嫌いな生き物も当然含まれます。でも、そうしたものを省いて、美しいと思えるところだけを切り取って持ち込もうとする姿勢が、あまりにも全体性をいきていない不自然な姿であるゆえ、滑稽に見えます。
朝10時頃まで、すぐ下の道も見えないほど霧が濃い日もあって、雲海もとんでもなく低いところにあったりすると、もうどっちがどっちかわかりません。だって、どちらも、水分です。。。でもこの感覚は、ホテルで雲海もどきを眺めても、生じえないでしょう。
こうした部分を切り取って持ち運ぶ姿勢は、昔からありました。非常によくあることです。私たちは、進歩がありません。
初出:2020年9月24日