どこまでも用途があるよう、工夫する

賞味期限が近く、SALEになっていたデーツシロップ(低GI)を試しに買ってみましたが、使い勝手が良く、定番になりそうです。

氷見市立博物館(富山県)に行った際、刈り取った稲が、籾と藁に分けられ、籾は玄米(白米+米ぬか)ともみ殻に、藁は藁と藁しべ(馬小屋の敷物・かつての藁布団・かつて畳の代用だったものの材料)と藁灰(石鹸や重層の代わりの他、肥料や火鉢保温材)に、それぞれ細かく分けられ、その先に用途があったことを知って、生きるとはこういうことだと、しみじみ思いました。

生きるとは、どこまでも用途があって、また用途を生み出すための工夫を人間が怠らないことだと、思ったのです。上で言うと、白米はさらに、ご飯・お餅・酒造米・米菓材料になります。糠は糠床や糠袋(石鹸の代わり)になります。籾は、卵やりんごを運ぶ際のクッション材や枕の材料や、燃やした後肥料になります。

江戸期には、藁に至っては、綯う物・敷物・入れ物・履物・着物と、主に5種類の用途があったそうです。綯う物としては、左撚りにすればしめ縄・結界縄、右に強く撚れば漁業用の堅縄、右に強くはせず撚れば、物を縛る縄になります。敷物としては、むしろや畳床になります。入れ物としては、米俵などの俵などになり、履物としては草鞋・草履・長靴などになり、着物としては蓑などになったそうです。先人の創造性に圧倒されますが、まだまだその他の用途もあって、土壁の補強材に屋根の材料に、納豆床・燃料・外虫除けの火串などになったそうです。創造性を鈍らせるのではなく、工夫し尽したいと、先人に頭が下がった時間でした。

初出:2017年4月4日