できていたことが、できなくなる旨味

無印で買ったソーセージが、美味しかったです。

できていたことができなくなると、できていた状態に近づけようとして、初めて開ける視野があります。例えば、気づいたら日本語を話せていて、助詞の使い方を迷ったことなどなかったのに、海外で何年も暮らし、日本語が崩壊します。そこで初めて、助詞について真剣に学び、日本人の精神構造にまで触れられたりします。あるいは、脳の使い方に関心を持ち、新しい分野や「こんな研究をしている人がいた」と感嘆し、そこから会話や人脈が広がります。今までは何となくできていたから人に説明できなかったことを、人に教授できるようになります。

すると、何も考えずにできていた時より、知識も能力も人としての器も、ずっと広く深く強く大きくなれます。そして次回、できないと言う状態が訪れたら、旨味を感じられるはずです。すべてはフラットで、どんな時もマイナスもプラスもなく、ただ次が開けているだけです。起きただけで、何かが決定付けられるようなことは、ありえないのです。

初出:2018年3月14日