「心配が癖になってるな」と思うなら、その間は不安をコントロールできているように思えるからでしょう。
田舎の面白さのひとつは、末端がみえることでしょう。例えば、大都市で話題になったブランドには、いくつものメディアにのり、行列ができ、でも回転も早く「そういえばあったね、あれどうなったんだろう?悪くなかったよね」と思えるものがあります。
そうしたブランドが、あの勢いを失った先でどうなったかというと「こんな田舎では鳴り物入りでやってきている、しかも田舎でしか知られていないブランドとコラボしている」といった「あれどうなったんだろう?」の続きがみえる面白みがあります。
田舎だとそんな話題の製品にとびつく若者もいないので、コラボ先もおばあちゃんおじいちゃん受けする渋いブランドだったり、だからこそ商品やサービス自体は平板になっていて「よくあるものになってるよ。それコラボする意味あるの?」とツッコミたくなりますが「おじいちゃんおばあちゃんにとっては、そのブランドしか知らない(認めない)」ので、コラボする意味が大いにあります。
そういう今までにない流通経路が見えてくると、都市で創られたいろんな仕組みの先が、手拭いのように切りっぱなしになっていて、その切りっぱなしの先がどんなものに触れていくのかを見せてくれる様は、面白いです。「なんであんなに綿密につくったのに、浸透しないんだろう?」と、都市でシステム作りを頑張るみなさん、その答えは田舎にあります。
限界/適用領域の設定がしきれていないと、その先はせっかくはったネットを超えて、その先のフェンスに絡まる朝顔のように、思わぬ展開をしたりするし、その手を入れきれなかった0.1%が、結局つくったシステムを壊したり、より大きなシステムに属していくという実は予定調和の道を辿らせるというか、その辺りをまざまざと見れるのは大変面白いです。
初出:2017年8月6日