里山という工夫が、楽しむ余裕をくれる

次は、山羊のミルクの石鹸を試したいです。

京都に住んでいたとき、たくさんのお花や樹々が、季節の変化をわたしに教えてくれていました。美しく工夫されたお庭が多かったのです。例えば、ただ山があるだけでは、季節感はそれほどには感じられません。雑な言い方をすると、針葉樹がほとんどの山なら、ただずっと緑なだけです。

人間が里山という、大自然との間の緩衝地帯をつくったからこそ、獣と人間の間に、互いを確認しながら適切な距離を試せる場所ができました。柿の青い実の横で彼岸花が咲いて、ひまわりが少し寂しげに見えて、コスモスが咲き始めて、そこで微細な季節の変化を感じられます。

里山をはじめとする人間側の工夫があるから、季節を感じて、そこからそれを楽しむ余裕を生み出していけるのだと感じるこの頃です。今日は、来春に向けてクロッカスを、来夏に向けて鉄砲百合を植えます。今回は、気候の違いが分かりやすいよう、実家でもクロッカスと鉄砲百合を植えてもらうことにしました。

桜の開花で、気候の違いをより肌で感じられるように、クロッカスと鉄砲百合の開花状況の違いで、天気予報にあらわれないこの土地の気候を両親に知ってもらい、安心してもらったり、違いを楽しむ余裕をつくってもらおうと思っています。

初出:2016年9月7日