有限を不足と捉え「自分にはあれもないこれもない」と、実は何が欲しいのかもわからないまま、とにかく欲しがるなら、時の力を知りません。
時の力は、例えば余韻を楽しむことであり、時の経過につれて香りが変わる楽しみを知ることであり、時が経つにつれて形が変わる妙に、自分を開くことです。
手元に塩ときゅうりしかなくても、きゅうりをどんな風に切るか(どのくらい時間をかけて切るか)、切ったきゅうりにどのくらい塩を振るかだけでなく、そこでどれぐらい時間おくかで味はうんと変わります。浅漬けと10年物の古漬けでは、全く味が違います。時の力です。
同じように、全く同じヨガのメニューをするにしても、どこに意識を向けて、そこにどれくらい時間をかけるかで、身体は全く違う変化を見せてくれます。
初出:2019年10月23日