洞察力のない人ばかり、寄せてしまう。

室内プールは、1000万近くするんですね。

「誰にでもわかりやすく」は、311以降強まった流れのひとつです。一見優しく見えますが、実は「遠ざけたい」人を追いかけては怪我するような「近づきたい」人を結果的に遠ざけては心に穴があくような、そんな展開を生みます。

短期的には金儲けになるけど、長期的にはトラブルになるとストレートになります、あるべき秩序を乱すからです。理にかなっていません。ら2011年以前と現在を比べたら、秩序の乱れは一目瞭然でしょう。

これが「業界」といった大きな単位で起きると、その「業界」の質は当然低下します。「遠ざけるべき」(お客さんになるべきでない)相手にしがみつき、「近づくべき」(お客さんになるべき)相手に、は結果的によそよそしかったり無視しているのですから、そうなるに決まっています。

「わかりやすく」が配慮として機能し、確かに相手に届くための工夫として存在できるのは、ごくわずかな領域です。わかる人にはわかるし、わからない人にはわからないのが、事実です。

それは、ホッキョクグマが赤道に住んだら死んでしまうことや、高山植物が海辺で育たないことと似ています。出会ってはいけない対象があり、近づいてはいけない対象があります。

誰もが入れる場所は、あってはいけません。分別が必要です。その距離を守ることで、全体の調和が生まれ、ひとつひとつがその魅力や能力を保てるのです。

個人レベルでこれをしていくと、他人の感覚で生きる時間が長くなり、怒りや憎しみを押し込めて、仮面を厚くする展開になります。洞察力のある人には当然透けて見えますから、そういうあなたに近づいてくるのは、洞察力のない人ばかりとなります。

初出:2019年5月31日