「愛着があるから手放せない」のは、自分の思い入れでそのもの・人・場所の価値を、過剰にあげたからです。
「意味がなかったことにしたくない」「失敗なんかしていない」と、選択を正当化したい思いが「別れたら大した男/女じゃなかった」「辞めたら、世の中にもっといい会社があった」という思いも連れてきます。
過ぎた時間に向かって注いだエネルギー量を計算し、沼地にはまったようになると、前向きになりづらいでしょう。一方、潔く損や失敗を認められる人は、さっさと前に進みます。
「でも、こんなところがいいから」「こういう面もあったから」と思い直していると、真っ白なはずの今日が真っ黒になって、入ってくるはずだったチャンスも入らなくなります。周りが見えなくなって、ひとつ失敗すると「もうだめだ」とお先真っ暗になりやすくなります。
愛着を理由に迷う状態にあるなら、過去に目が向き、利益を追い、自らの失敗を認められない状態にあり、苦しいでしょう。潔く失敗を認め、損得をこえる洒脱をまとえば、あっさり消える苦しみにまみれているのが、世の中やあなたです。
初出:2020年1月15日