「思いの外、疲れた」のからくり

そう、本当にIQ下がります。

精神的に不健康だと、自分の中の内的感覚を自覚しづらいです。「途中で疲れたら、遠慮なくそう伝えて下さい」と言われても、自分の中の疲れたという感覚を掬いあげられないから「思いの外、疲れていた」が、日常に蔓延してしまいます。

また、精神的に不健康だと、はっきり人に向かってNOを言えません。(反発は、NOをいうことと、違います)NOを言わないでいたら、なんとなくYESということにされてしまうことが増えます。そして、不平等な人間関係にばかり恵まれます。人と会うと緊張することも増えるでしょう。

わたしが再三、まず身体感覚を受け取るよう提案しているのは、気持ちに目を向けると、内的感覚が隠れたりねじ曲がりやすくなるからです。身体感覚ではNOを言いたい(例:この人と会うといつも腹痛)のに、気持ちではNOを言えない(例:この人に会えば仕事を回してもらえるかもしれない)ことが、実際に人という生き物には多いからです。

内的感覚を自覚し、かつNOをさらっと言う人はほとんどおらず、魑魅魍魎であることが強くて健康であると自分に言い聞かせている人が多いので、本当に大変な世の中であることは、まちがいないと思います。

初出:2020年8月13日