毎月吹かせる、新しい風

この夏、読みたい本の内の一冊です。

緊急避難グッズを、月に一度は見直しますが、毎回何か新しい風を入れます。その風は、アウトドアショップで教えて頂いた被災地での体験談や救援活動経験のある方が書いた記事だったり、色々なところから吹いてきます。今月は、ふと目に入った雑誌『山と渓谷』から吹いてきました。

簡単に言うと、ひとりで山に登って遭難したときにどうするか特集でしたが、災害時にも応用できると思った点は以下です。

  • 足首の固定に、新聞紙を使う。
  • 千枚通しで穴を開けたペットボトルのキャップを、グッズに入れておく
  • 電話はつながらなくても、メールはつながることがある。都道府県名+メール100番で調べて、控える。
  • 救助要請をするときは警察でも消防でもいいが「山岳事故」とはっきり伝える。5W1Hで伝えるが、山の名前だけでなく、何県の山かも明確に伝える。(⇒情報共有の仕方が参考になる)
  • コンパスに登山計画書を提出し、自分のウェアやザックの色も記入しておき、ココヘリの会員になる。(⇒情報共有の仕方が、参考になる)

遭難の一因に「GPSの設定自体にあやまりがあった」とあるなど、GPS頼みではうまくいかず紙の地図も必要だという経験談に「やっぱりね!」と思いました。GPSだと思考停止してもたどり着いてしまうし、GPSが狂っていては元も子もないので、普段から使わずに感覚を磨くようにしています。

その他「へぇー!」と思ったのは、大正中期以前は、夏山登山が中心で、かつて学校登山の引率は理科の先生だったことや、単独行で遭難し行方不明になり、複数回の捜索後、一か月後に遺体が発見された場合、捜索救助費用は計1,440,000円という点です。

理科の知識は身を助けるんですね。理科嫌いのお子さんがいらっしゃるなら、一緒に山登り(必要ならガイドをつけて)すると、理科を学ぶ意義を理解できて、勉強への姿勢も変わるでしょうね。実際に、山での怪我の様子が写真でのっていたりする点も、参考になりました。

緊急避難グッズに目を向けることで、日常の快適さが増すこともあります。緊急避難グッズを非日常に所属させず、日常に属させることで、いざ使う時に驚いたり緊張しないですむようにしておくと、自分のためになると思います。

初出:2019年2月25日