ふと気づくと「できない」と、自分を責めてしまっていると、その焦りと不安から、外へと求めるようになります。ぐらっとしたから、手すりにつかまるのと同じです。
でも、特にヨガなどされている方は、実感されているでしょうが、グラッとしたとき何かにつかまっても、そのポーズがもたらす恩恵には触れられないのです。より一層足裏で大地を押したり、より一層左右の足を押しあうという「力を出す」ことをすれば、ぐらっとしなくなります。
足を前後に開いていたとしても、内もも同士を押しあおうとすれば、ポーズは安定し、効くべきところに効きます。それは、形をまもろうとするのと、全く違うプロセスです。
つまり、「できない」と自分を責めているときには、形をまもろうとしています。お母さんという「形」や経営者という「形」など、自分の本来の質を生かすのとは違う方向です。形をまもろうとすると、失敗の力や絶望の力を生かそうと思えず、当然です。失敗や絶望が力をくれるのではなく、あなたを嫌う存在になってしまうんです。
初出:2019年10月15日