「機能不全家族」の中で「アダルトチルドレン」としてそだった「サバイバー」の方は、「大丈夫です」といいたがります。
小さかったあなたが家族のあれこれを、引き受けてしまったんです。本当はそれは、あなたの役目じゃなかったんです。あなたはもっと伸び伸び育ってよかったのに、あなたはその大きな愛で引き受けました。それは決しておおげさではなく、「サバイバル」で、小さな手で一生懸命尽くしたら、あなたはもうめいっぱいになって「大丈夫」にしないと、生きていけなくなってしまいました。
「大丈夫」にするために、不安を感じないようにしたり、感情をあらわさないことを覚え、なんとかバランスをとりながら、ここまで「サバイバル」してきたのです。それは、本当に今すぐにすとんとは認められないくらい、つらいことでした。
今、あの時より少しは安心できる状況にいても、あなたの「サバイバル」装置はいつでもあなたをまもるために、スタンバイしています。だってそれだけがあなたをまもってきてくれたのだから、スイッチ入れっぱなしにするしかなくなりますね。
ただ、そしたら、「サバイバル」装置が稼働しなくてもいい時にも、稼働するようになっちゃってたんです。状況はかわっても、プログラミングはかわっていないから、当然でした。そうすると、あなたは泣いていいと頭でわかっている場所でも泣けなくなったり、不思議なときに緊張するようになったり、自分でも驚くような怒り方をしてしまうようになりました。
泣いたり怒ったりして、脇があまくなることを恐れて、きわめて控えめにしか泣けなかったり、怒りたいけど笑ってエネルギーを発散させてしまったりします。そうやって「大丈夫」なように、一生懸命ととのえてきました。これまで、たったひとりで、ほんとによくやってきました。たくさん無理しましたね。
これからはね、もう「わたし大丈夫じゃない」と、ごく些細なことでいって、大丈夫です。あなたが大丈夫でなくても、あなたのいる状況は大丈夫になります。あなたの家族に起きたことやあなたが経験したことは、あなたが悪いから起きたことではありません。もう、自分を責めることは、おしまいにしていいんです。
これからは、自分を責める代わりに、うんと自分を満たしてください。あなたには、非難や理不尽な批判より、ただただあたたかい安心できる安全な場所が似合います。「これまでよくやったね」と自分につたえても、もう状況は悪くならないから、大丈夫です。
ほんとは無理して、これまで「大丈夫じゃなかった」あなたを、愛おしんであげて大丈夫です。あなたに「できない」ことがあっても「やりたくない」ことがあっても、もうそう伝えてしまって、大丈夫です。大丈夫じゃないあなたのままで、もう大丈夫です。
本来のあなたのお役目でなかったことからは、もう手を引きましょう。見捨てるのでなく、ただ尊重して離れるのです。機能不全家族が生まれた背景には、戦争などいろいろなことがあります。(戦争ほどお金が動くビジネスはありません)「うちは機能不全家族じゃないから、大丈夫」とか、そういうことではないんですよ。みんなつながっていますからね。社会全体、世界全体が機能不全であり、ひとりひとりの身体が機能不全であることを、あらわしているに過ぎないのです。
初出:2013年12月15日