「SNSを見る時間は、読書の時間に変えよう」と、提案したくなる昨今です。
職場でハラスメントにあっている方が「辞めようとしているAさんは、優しいから辞めないでほしいんです。でも、Aさんは離婚して一人で子育て中だから、もっとお給料のいい職場や半休の取りやすい環境で働きたい気持ちもわかるんです」と、Aさんが辞めることについての権限を自分が持っているかのように、話します。経営者や人事権のある人が、退職願を出した人について、会議のついでに立ち話しているわけではありません。Aさんより後輩なのに、こういうことを上から言ってしまいます。
例えば、PTAで一緒のBさんから愚痴を聞かされ続け、もう聞きたくないのに「でも、ここで聞いておかないと、孤立するかもしれないから」と聞き続けます。もうBさんを見るだけで、ビクッとしてしまうほどですが「こうしていれば、好かれるはずだから」と自ら愚痴を聞きに行きます。Bさんを優先して行動しながら、ご本人は「これで大丈夫」と思っています。「こうしていればこうなるから、大丈夫」と未来をすべて見通せているような感覚こそ、裁きまくりのヒーローが持つものです。今風に言うと「神じゃん!」という感じでしょう。
こうした方は自分を「自分はダメで弱くて、いつも我慢している美しい謙虚な人」だと信じています。しかし、ここまでで明らかになったように、すべて自分の思い通りにしようとしている、自分本位の傲慢な人が、実像です。
初出:2019年4月29日