損得を極め、選択肢が消える。

ドバイは、かつてのニューヨーク的な位置づけになっているのでしょうか?

損得の見極めが賢さだと思っていると、自分をがんじがらめにしやすいでしょう。

例えば、数年縛りに同意すれば、安くなるサービスは、中期的に得する良い選択肢に見えるかもしれません。でも、それが後々「もう少し我慢していれば、割引になるから」と、自分から他の選択肢を奪う展開のきっかけになったことはありませんか?

その数年縛りの感覚に慣れて、逆に時代のリズムからずれることもあります。例えば一昔前なら、10年後を見据えたキャリア形成が推奨されていました。が、今は10年後が見えない時代です。損得を見極めたつもりだったあの時、実際に選んでいたのは「考えなくていい」ではありませんか?

自分から選択肢を奪うことを、損得に基づいて考えられる賢さと誤解していると、選択肢を増やせない状況に入りまです。止めるのが大変な状況を作る習慣が身についています。

なんでも1カ所にまとめれば支払いが割引になったり、長期的に使えば優遇されるものを好む方は、このパターンにはまっています。止めるリスクを下げておかないと、フレキシブルに生きられなくて当然でしょう。

初出:2020年1月11日