子供が経験する反抗期は、いずれも母子分離のチャンスです。子供は、頼りたい気持ちと探検に行きたい気持ちの間で揺れますが、都度程度を変えながら、子供の不安を減らし安心して外に歩み出せるように手を引くのは、父親の役目です。
母親業務でパンパンになっていた自分の妻に、ただ自分自身でいる時間を返していくことも、同時に叶えます。
母が子に依存するというおかしな動きがうまれないようにし、子供にとって母親が「収容所」にならないようにするのは、夫である父親が担う役目です。東日本大震災の頃よく聞いただろう「レジリエンス」を高めるのは、父親なのです。
父親の場合、母親と違って「もう父親をやめていいよ」と言われたいほど、父親だった方は、ほとんどいないでしょう。父性がみられない今の社会だからこそ、ここまで疑似恋愛がいいもののように扱われてしまっているのでしょう。
初出:2019年7月28日