人間関係で計算間違いをすると、どろどろドラマの主役になれます。
極めて主観的な人は「いつもこうなる」「やっぱりね」が口癖です。想定内ということにして「この状況は整理されている」「私はこの人の気持ちを正しく想定できていた」と自分に印象づけます。すると、少し気持ちが整う気がしてします。コントロールできる錯覚を覚えることで、未来に起きうる危機を減らせたと錯覚します。
「いつもこうなる」「やっぱりね」の裏で、うごめく声は「普通にならないと。みんなと同じにならないと。見捨てられないために」です。だから「やっぱりダメだった」には「また普通になれなかった、みんなと同じになれなかった、どうしよう。見捨てられてしまう」という切迫感が、ギュウギュウに詰まっています。
「普通になるために、もっとこうしよう」「みんなと同じになるために、これを頑張ろう」としていくほど、自分へのダメ出しが増え「これをしていくぞ!」と気合が入り緊張状態が続きます。見張られているかのようです。そうするとその内「こんなに頑張っているのに、わかってもらえない」と錯覚し、世の中のあれこれに怒り始めます。
ただ、本質的な解決は望んでいないから、本質的な解決につながらない範囲で、怒ります。怒りという不快が、必要だからです。不快で酔う脳を持ち、いわばお酒の代わりに不快で酔って、もっと奥にある見捨てられる恐怖は感じずに済んでいます。だから、本人も「怒りっぽい」と、キャラの一つにしたりして、怒りを奪われないようにします。自分を異物みたいに扱わず、もう許してあげたら、その怒りは消してしまえるでしょう。
初出:2019年3月25日