家は消耗品。

今年に入ってからずっと、今までになく空気が汚いです。皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか?

自転車や車などの消耗品のシェアリングは、都市部を中心に広がっていますが、家については、駆け出しの段階でしょう。未だに、家は消耗品ではなく資産だという感覚が強いのでしょう。

一般に高額とされる買い物には「一生ものです」「三世代に渡ってお使いいただいています」といった言葉がつきまといます。これが暗に「資産ですよ。消耗品じゃないですよ。価値は下がるどころか上がるかもしれません」というニュアンスを添えます。あなたが10歳でそれを買うなら、人生80年だとしてあと70年使えますが、あなたが50歳でそれを買うなら、使用可能期限は30年です。

少なくとも経済という文脈においては、どんな物も買い手がつかなければ、その価値は0円あるいは負債に過ぎません。空き家を取り壊すにも、お金がかかります。空き家を取り壊したとして、空き地に生えた雑草を定期的に刈る労働も付随してきます。

「それはリセールできるのか?」という観点から見ると、物語に囚われ消耗品を資産だと勘違いしてしまう罠から、抜けやすくなるかもしれません。

どんなにエシカルな消費でも、土にもかえらずリセールできないものはゴミになることを前提にお金と向き合うと、お金があなたを助けてくれる機会が増えてくるでしょう。

初出:2021年3月9日