ウルメイワシにハッとする。

おはようございます。吉野実岐子です。

辺鄙なところに住んでいると、ちょっと買い物できる範囲が狭まっただけで、食卓に大きな影響がでます。そこで、日持ちするたんぱく質を探そうと、二月に丸干しされたウルメイワシを買ってみたんです。

三月に、お天気の上では五月のようになったり一月のようになったりして、もう訳がわからなくなりながら、やたらと強い紫外線のもと、急に思い出したように筍ご飯を炊いたり、うどの酢味噌あえを作ったりしてみました。そして、丸干ししたウルメイワシを炙ったものを添えたら、めちゃめちゃご飯がすすむんです。

ウルメイワシの硬さがこんなお天気の中で地に足をつけることを助けてくれる感じがしますし、サイズも小さく保管も楽で、蕗の薹など春の味覚と一緒に頂いて、ほっとする時間をもてました。カレーライスのような「みんな大好きお手軽料理」では得られない深い安心感を、ただ炙るだけでいただけるなんて、最高だと思いました。

半減期が12年強であるtritium入りの水をさらに薄めたものは誤解を招かないようtreated waterと呼ばれるそうで、ウルメイワシからしたらいずれにせよ死活問題ですし、それが口に入るすべての生き物にとっても死活問題です。世界でこれまでに随分な量が海洋放出されてきたそうで、そうした汚染問題は映画”Seaspiracy”でも触れられておらず、残念に思いました。

そんなことを思いながら、一生懸命努力して、やっとの思いで春を感じています。そして、バードウォッチングが趣味で鳥に詳しい人ですら「ツバメ?そういえば、一匹も見てないなぁ」と普通に話す、そんな壊れた人間たちが、壊れた地球に住んで、さらに地球を壊しています。