失読症をはじめとする学習障害

おはようございます。吉野実岐子です。

「アルファベットの上で目が滑る」「1とoneが同じものを指すと理解できない」「本を読んでいると目がチカチカする」「乱視であるかのように、文字のピントがずれて歪んで見える」「フォントを変えると、急に読みやすくなる」といった失読症は、学習障害(Specific Learnig Disability)の一種に位置付けられています。そして、これは知能指数とは関係ありません。本人も自覚できず、周りも認識できないことがあります。

そうなると、知能は高いのにそれを表現できないことになるから、その苦しさは途方もないのです。知能が低いと思い込んでしまうケースもありますし、周りの無理解で傷つきますし、また自己肯定感も低くなってしまいます。「コミュニケーションが苦手なのだ」という認識になってしまうこともあります。「なんでできないんだろう」と大粒の涙がポタポタと零れ落ちる感じです。

また、最近だとパスワードを間違えると「この文字を入力してください」とランダムな数字や英語が並んだ画像が出て、認証を求められることがありますが、これも失読症の状態にあると、難しく感じられる仕組みだろうと思います。このことが示すように、失読症はあまり認知されておらず、研究も進んでいません。論文を読んで「?」となることもあるくらいです。原因なども、なんとなくこんな感じ、で共有されてしまっています。

学習障害を持っている方は、知能指数の高さと実際に進んだ大学などの間に、ギャップが生まれてしまいます。また勉強が好きで勉強したいと思っているのに、ままならないもどかしさを抱えていたことが多いから、それがいくつになっても「勉強したい」という思いにもつながっていくようなんです。それが、その方の真摯さや誠実さや忠実さを形成している部分は、あるだろうと思います。

そして、一番のポイントは学習障害の状態自体が、(おそらく)年単位のトラウマ治療で改善を見込めるということです。あきらめとはまたちがう「またできなかった」「やってしまった」という感覚も消え、やがて自己肯定感もあがっていけば、人生のすばらしさを思い切り享受できるところまで、駆け上がれます。

その感動は、経験したご本人にしかわからないものであり、またその感動の大きさを想像するのは、学習障害でないあなたにも難しくないだろうと思います。

学習障害には、算数障害や字を書くときの緊張(書字障害)なども含まれます。何が該当するかはお一人お一人違いますが、例えば字を書くときの緊張がぐっと減るだけで、文具コーナーが楽しくなるのです。そういう楽しみの広がりの大きさに、すべてのみなさんには、敬意をはらっていただきたいと思います。そして、何でも「努力不足」「さぼっている」「やる気の問題」で片づけないで頂きたいと思います。