目標が苦手な方を見ていると、目標達成には資質や努力が大切だと考える一方で、環境を軽視している傾向があるように思います。
もちろん、どんなに劣悪な環境でも、資質があれば伸びたり、努力を淡々と続けられたら伸びるということはありますが、それは資質や努力できる才能がずば抜けている場合です。そうではないと自覚できるなら、環境を重視した方が、圧倒的に目標達成率は上がります。
目標は叶えることが目的ですし、目標を達成すればそこに新しい環境も広がって、さらに目標達成率が底上げされるわけですから、素直に「目標が叶いやすい環境づくり」に精を出すのが、賢いんじゃないかと思います。
例えば、わたしは都市在住だった頃、水筒を持ち歩くことが習慣化しませんでした。そこにすぐ自販機やコンビニがある環境でした。そうなると、わざわざお茶を作って水筒にうつすことが、手間に感じられてくるわけです。
ところが田舎に住むと、その辺に自販機やコンビニなどないので、特にうんと寒い日や猛暑の日には水筒を持っているかどうかが生死に直結してきます。そこで、わざわざお茶を作って水筒にうつすことが、いのちをまもる行為として感じられるようになります。さらには、実際に水筒を持ち歩いてみると、それだけでは水分が足りないことがあるのです。そこで、自販機やコンビニで買うと、買ったもののまずさが際立つのです。さっきまで飲んでいた自分の水筒にあったお茶と、手間暇かけたと書かれているお茶の味が、愕然とするほど違う事実を、毎回目の前に突き付けられて、うんざりするのです。
そうなると、都市部にいてすぐそこに自販機やコンビニがあっても「あんなに愕然とするまずいお茶、絶対に買いたくない」と思うわけです。わざわざお金を払ってまずい物を買う、そんなあほらしいことはしたくないと思うわけです。これは、新しい環境がわたしを連れてきてくれた世界です。
実際、都市部の人ほど味覚や嗅覚がめちゃくちゃで、ツボ押しみたいに舌のポイントをおす仕組みの味に「おいしい!」と反応するという、仕掛け側がニンマリする人間になっているのが、なれの果てです。おいしさとは、もっと全体に人生を優しく底上げしてくれるようなじんわりとしたもので、ツボ押しみたいな感じではないということも、都市部の多くの方は受け取る余地がないようです。
そんなわけで、資質や努力にこだわって環境の力を使っていないなら、それはもったいないだけでなく、能の前帯状回も活発になって、簡単に言うといい方向にあなたを進めていません。ぜひ、環境整備に目を向けてみてください。