信頼は、この空間に属する。

人との距離をどうとったらいいか分からず、妙に緊張したり、急に馴れ馴れしくなったりするなら、信頼が時間に帰属すると思っています。

「これだけの時間を共に過ごしたから」「まだ二回しか会っていなくて、関係が浅いから」こんな風に考える、つまり信頼が時間に帰属すると考えては、次の一手をあやまります。そのあやまちに気づけないので、だんだん人間関係全般を遠ざけたり、おどおどしたりします。

信頼は、あくまでも空間に属します。過去と現在と未来があるのは脳内に限った話で、みなさんの肉体はいつも今に属しています。そして、信頼はここに属するのです。

信頼を時間に帰属させると「でもお世話になっているから、やっぱり」と会社が傾く一歩を踏み出してしまったり、10年後に10年前と同じ調子で突然誰かに電話するその奇怪さに気づけず、自分はフレンドリーでオープンだと思いこんだりして、いつまでも「人との適切な距離感がわからない」という自覚も持てないことがあります。

時間になんでも帰属させる、すなわち時間にばかり寄りかかっていくと、現実と妄想の区別がつかなくなっていくことは、容易にご理解頂けるかと思います。