贅沢≠心が豊か。

日暮れ後に電気をつけているなんて、多くの人にとって、江戸中期までは不可能でした。庶民の間に、電気代わりである菜種油がある程度普及したのは、江戸後期です。そして、だからこそそれまで、満月がもてはやされてきたのですね。月明かりは、どれだけ特別だったでしょうか。

海から遠いところに住んでいながら、海の物をいただけて、むしろ「魚食べなさい」と子供が怒られるのが、今の時代です。墨をすらずとも文字を書くことができ、寺子屋に行きたいとお願いしなくても勉強ができます。

一方で、室町時代後期には「富を持てる者が、自分の富に見合った徳をしめす」という有徳思想が支持されていたことを思うと、贅沢≠心が豊かであることが、しみじみと感じられます。

贅沢≠心が豊かと、文字で見せられると「当たり前」と思った気になる方が多いでしょう。でも、本当に心底そう思っていたら、今のような社会経済システムは、支持されていません。